結果的には、今回の私の就職はかなり成功したパターンのようです。
一見するとスペックとしては、プロジェクトマネージメントや日本での販売を任されるような仕事をして、前職と今回のポジションは非常に似た業界で似た業務でありながら会社や顧客の規模が違う一貫性のあるステップアップ、エンジニアなのに短期留学をするくらい積極的。このへんはお世話になったエージェントや会社に入ってから聞いた私に対する評価です。
しかし、私自身の実際のここまでの経緯は、ビジネススクールへ行こうとしたけれどなかなかうまく行かず、会社員には戻るつもりは全くなく、将来の起業に役に立つプログラムに行ってきたところ、紆余曲折があり割に合わない仕事よりもきちんとした仕事に落ち着いたといったところでしょうか。
MBAでなくてもこの三ヶ月のプログラムへ行ってきたことは、今回の就職にあたって私に十分な価値を付けてくれました。外からの評価という意味では、自分の積極的な性格の証拠にもなっているし前職よりもお給料は上がったし、実際の中身の意味でも、そこそこのことだったら自分でできる力になりましたし、ビジネスとはどんなことなのか見方を変えることができました。会社の中にいると、目の前のことやその環境の中のことにとらわれてしまいがちなので。
私自身、ビジネススクールに行けなかったから3ヶ月のプログラムに行った訳ではないし(実際、再出願しているし...)、会社員としてのキャリアアップの為に行った訳でもないので驚いているところではあります。意図的ではなかったにしても、自分なりになんとか考えて努力はしてきてよかったです。
それにしても、面接のときに、どこの会社でも、CVのこの3ヶ月の短期プログラムのことを見ると「MBAとか、お考えにならなかったのですか?」と聞かれました。しかも日本へ帰ってきてから数ヶ月のブランクがある点も「で、今は何をされていますか?」と聞かれました。そのへんはうまく交わしながら、落ちただなんて言えないし、貿易のビジネスをしたかったなんても言えないし、心の中では微妙でした(笑)。行き着くところは、落ちたとはいえおかげで少しぐらいのことなら自分でできるという意味での人間的な体力はついたし、自分でビジネスをするくらいの気概のある人は会社も喜ぶくらいだと思います。(そう信じています。)
先日、人材紹介/ヘッドハンティングをしているエージェントと会ったときに、その"MBAは?"の質問が再びあったので、既に就職が決まり全てが済んでいるので自分を作る必要もなく率直に、「えぇ、考えましたし、その勉強もしました。受験しましたし、落ちました。」と話しました。もちろん彼の知り合いでも他の求職者でもMBA取得者はいっぱいいるし、彼自身も学校へ行くことを考えたことがあるようですけれど、やはり昨今言われる、本当にあれほどの時間とお金を投資する価値があるのかどうか、という疑問を投げかけられました。
私の個人的な答えとしては、お金と時間に限って言うのであれば、卒業後に会社員をするのであれば投資は取り返せる可能性が十分にあるけれど、起業をするのであれば取り返せない可能性が高くなる、という考えです。起業は、資金のほかタイミングとかける時間も大事でしょうから。そうは言っても、会社員では絶対に得られないネットワークであったり自由な時間だったりが十分な価値とも言えます。結局学校へ行かなかったし、その後もまだ始まったばかりなので何も言えないけれど、人によって向き不向きがあるのは間違いないですね。